はじめに
Netflixオリジナルドラマ「クイーンズ・ギャンビット」をご存じでしょうか? チェスを題材にした作品…と聞くと、地味なのでは?と思う方もいるかもしれません。実際、私も最初の第1話を見てあまりハマれず、ここから先どうしようか…と一度断念しかけました。ですが「面白い!」との評判を耳にして、少しずつ見続けているうちに3か月ほどかけてようやく完走しました。 その結果、最終話まで見てみて思ったのは「これはチェス版のロッキーだ!」ということ。今回は、その理由を中心に感想をまとめていきたいと思います。
目次
最初は正直ハマれなかったけれど…
それでも最後まで見続けられた理由
1話目が終わったタイミングでは「うーん、地味…」という印象が強かったんですよね。ですが、
- 主人公ベスのキャラクターの面白さ
- アニャ・テイラー=ジョイの圧倒的な魅力
- 画面全体を彩る美しい映像
これらが相まって、なんだかんだ最後まで見続けることができました。
また、Netflix作品でいうと「サイバーパンク: エッジランナーズ」にも通じるような"薬物"や"お酒"がストーリーに絡んで限界突破するという点も、気になる要素でした。思わず常人を超えた力を発揮してしまうベスの姿に「どうなっちゃうんだろう…」とついつい気になってしまうんですよね。
「チェス版のロッキー」と言いたくなる3つの理由
さて、私が「これはチェス版のロッキーだ!」と強調したくなったのには、大きく3つのポイントがあります。
1. “一人きりのスポーツ"がいつしかチーム戦になる熱さ
チェスは基本的に1対1の頭脳戦。しかもドラマ冒頭ではベスがずっと孤独に戦っていくように見えます。しかし最後の大舞台に向けて、かつてケンカしたり、ボーイフレンドだった男性たちが一堂に集結し、“チーム"としてベスをサポートしてくれるんです。
さらに、幼少期に同じ孤児院で過ごした友人も力を貸してくれ、最終的には"たった一人"で進められないほどの大きな戦いになっていく。
まさにロッキーが周囲の人々の協力を得てトレーニングに励む姿を思い起こさせる、胸が熱くなる展開でした。
2. 家族という絆への希望
作品の序盤でベスは、決して恵まれた家庭環境ではありませんでした。孤児として育ち、実の家族がいない。そんなベスのもとに、ある日、大人になった幼馴染が現れ「あなたは孤独じゃない、一緒に家族だと思っているよ」と言ってくれる場面があります。
血の繋がりがなくても、自分を家族と思ってくれる人がいるという事実は、本当に救いになりますよね。困難を跳ね返していくストーリーとともに、この"疑似家族"の存在が大きな支えとなり、ベスの人間ドラマに厚みを持たせてくれました。
3. ロシアの世界チャンピオンとの最終決戦
ロッキーが世界王者に挑むように、ベスも最終的にロシアの世界チャンピオンとタイトルをかけて戦います。ここで面白いのが、当初は"アメリカの新星女子チェスプレイヤー"ということで、ロシア人女性から特に大きな期待を寄せられていた点です。男性優位のチェス界、そして社会において「女性が権利を制限されてきた」という共通の課題を持つ人々にとって、ベスの挑戦は単なるゲームを超えた意味を持っていました。
まとめ:チェスを通じて描かれる人間ドラマ
「クイーンズ・ギャンビット」は、一見するとチェスという"地味な"題材を扱った作品に見えます。しかし実際には、
- 孤独な戦いから仲間との絆へ
- 家族の形を探す人間ドラマ
- 社会における女性の挑戦 といった普遍的なテーマを描いた、非常に奥深い作品でした。
最初は「チェスかぁ…」と躊躇していた私ですが、最後まで見てみると本当に面白かったです。チェスのルールを知らなくても十分楽しめる作品なので、まだ見ていない方はぜひ一度チェックしてみてください。きっと、あなたも新しい発見があるはずです。