先日、Amazonプライムをなんとなく眺めていたところ、役所広司さん主演の映画『パーフェクト・デイズ』という作品をたまたま発見しました。事前に評判を調べたわけでもなく、本当に「おっ、役所広司さんが出てるんだ。評価も高いし、ちょっと観てみようかな」という軽い気持ちで再生ボタンを押したんです。ここでは、そんな予備知識ゼロで視聴し始めた体験を中心に、映画の感想をまとめてみたいと思います。
目次
きっかけ:評価4.5に後押しされる
『パーフェクト・デイズ』を再生する大きな動機になったのは、Amazonプライム上の星4.5という高評価でした。「これは何かしら特別な映画に違いない」という期待感を抱かせてくれたんです。しかし、それ以上の情報はまったくなし。実際にどんなストーリーなのか、どのように進んでいくのかは不明のまま視聴開始となりました。
何気ない日常を淡々と見せる映画
鑑賞が始まってまず驚いたのは、役所広司さん演じる主人公の日々のルーティンが延々と描かれていることでした。深いドラマチックな起承転結があるタイプの作品ではなく、とにかく静かな日常の積み重ね。とはいえ、その「淡々とした日常」が不思議と飽きさせないんです。
正直、もしこれが演技力のあまり高くない役者さんだったり、ドキュメンタリーとして見せ方に工夫がなければ、単調すぎて途中で離脱してしまいそう。でも、役所広司さんの味わい深い存在感と演出のおかげで、「この主人公の1日をもう少し覗いていたい」という気持ちにさせられました。
「突発的な事件はいつ起こるんだろう?」という期待
私自身が役所広司さんと長澤まさみさんが出演した、ある映画の印象を強く持っていたのもあって、「元ヤクザの過去があって、いつか暴力的な展開になるのかな?」とか「大きな事件が突如起こるんじゃないか」と勝手に想像してしまったんですよね。しかし『パーフェクト・デイズ』ではそういった波乱がまったく起こりません。
しかも、普通なら途中で「何も起きないなぁ…」と退屈しそうなものですが、不思議と最後まで飽きずに見続けられました。作品を通して感じる"静かだけど心地よい高揚感"が、まさにこの映画の魅力ではないかと思います。
大きな出来事がないからこそ伝わるもの
クライマックスを飾るような大事件が起きるわけではないけれども、だからこそ逆に細やかな心の動きや生活のリズムが浮き彫りになるのが、この作品の醍醐味なんだと感じました。主人公の日常に寄り添っていると、「ああ、こういう何気ない時間っていいよね」「こういう瞬間がいちばん幸せかもしれない」という共感がじわじわと湧いてくるのです。
この「じわじわ感」は言葉ではなかなか説明しづらいのですが、派手な展開がないからこそ、観ている側は自然と主人公のペースや空気感に引き込まれてしまいます。普段の自分の生活の中でも、“ただ繰り返す日常"の尊さや豊かさに改めて気づけた気がしました。
観終わっての感想
最後まで観終わった後、「本当にただの日常描写なんだけど、なぜか満足感がある」という、不思議な感覚を抱きました。普段はドラマチックな展開のある映画を好む方にも、ぜひ一度観てほしい作品です。何も事件が起こらない映画は退屈、という固定観念がひっくり返されると思います。
まとめ
- 鑑賞のきっかけ:Amazonプライムで高評価を見かけて、予備知識ゼロで視聴
- 作品の特徴:主人公の日常ルーティンが静かに描かれる
- 飽きさせない理由:役所広司さんの味わい深い演技と、淡々としたテンポの心地よさ
- 期待とのギャップ:波乱万丈な展開はなく、それがむしろ新鮮
- 感じたこと:「何気ない日常」が丁寧に映し出されるからこそ、共感を覚える
本当に大きな事件は起こらないけれど、その分、毎日の些細な営みの魅力を再発見できる映画でした。静かだけれど深い味わいがあり、自分の生活を見つめ直すきっかけにもなるかもしれません。大きな刺激はないけれど、この独特の「じわりとした心地よさ」を味わえる作品、ぜひ一度試してみる価値がありますよ。